一言にインターネット回線といっても、様々な種類があります。
インターネットは一度設定してしまえば、あとはほとんどいじることもありませんし、気がついたら技術がどんどん進歩していて、浦島太郎状態になることもよくあります。引っ越しをきっかけにインターネットを敷こうと調べてみたら、新しいサービスばかりでよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
インターネットは大きく分けて5つの種類があります。最新の光サービスから、もう現在ではほとんど使われていないダイヤルアップ接続まで、インターネット回線の特徴を紹介します。
BWAとは、Broadband Wireless Accessの略称で、高速モバイル通信のことです。BWAのシェア率はインターネット全体の5割を超えます。
LTEとは、Long Term Evolutionの略称で、いわゆる「3.9G」です。正確には、3G<LTE(3.9G)<4Gとなっていますが、公式でLTEを4Gと呼んでも良いと認められており、LTE=4Gという認識が広まっています。
光ファイバー
現在のインターネット回線でもっとも速い接続方式が、光ファイバーです。
代表的なサービスはNTT東日本やNTT西日本が提供するフレッツ光です。また、フレッツ光を代理販売する「光コラボ」も、光ファイバー回線です。フレッツ光以外では、高速通信のNUROなども有名です。
フレッツ光では、100mbps、200mbps、1Gpsの3タイプの速度プランが用意されています。光コラボでは1Gpsです。
現在の日本では、ADSLユーザーがまだまだ多く、光回線を利用していても100mbpsや200mbpsといったプランの方がほとんどです。最新プランの1Gpsは100mbpsの10倍の速度ですから、非常に速いですね。
ちなみに最新の研究発表では、1Gpsの1000倍の毎秒1Tbsの通信も成功しています。今後、インターネットの速度はどんどん加速していきそうですね。
光ファイバーのメリット
- 安定性が高い
- 速度が速い
- 距離による速度影響がない
光ファイバーは、透過率の非常に高い石英ガラスとプラスチックで作られた回線に、光信号を流してデータを送信するシステムです。
光の速度で通信しているので、電話回線を利用しているADSLと比較すると、圧倒的な速さを実感できるでしょう。
また、ノイズの影響を受けにくいため、ネットが安定しているのも大きな強みです。通信信号の劣化が少ないので、データの読み込みや送信の失敗なども格段に少ないです。
また、ADSLでは自宅の位置によって速度が遅くなる場合がありますが、光ファイバーではその心配はありません。引っ越したらネットが遅くなった、という心配もありません。
光ファイバーのデメリット
- 料金がやや高い
- 契約できない地域がある
最新の技術を駆使したサービスということもあり、ADSLと比較すると料金面ではかなり高額となっています。ただ、最近リリースされた光コラボでは毎月料金がフレッツ光と比較すると2000円以上も下がっており、徐々に料金面でも安くなってきました。
ネット回線 | プロバイダ | |
光コラボ | 約5,000円 | 込み |
フレッツ光 | 5,700円 | 約1,000円 |
また、光ファイバーはまだ整備が整っていない地域があります。山岳部や諸島などの建物では、回線が繋がっていないため、サービスの利用ができない場合があります。ADSLは電話回線を利用しているため、電話があればインターネットに接続することができますが、光ファイバーは独自の回線のため、回線整備がされていない地域では利用できないのです。
高速モバイル通信(Wi-Fi)
Wi-Fi(ワイファイ)という名前の方が一般的かもしれません。
スマホで利用しているインターネットと同じ仕組みで、外出時でも利用できるインターネット回線です。スマホの半分以下のサイズの子機が電波を受信して、インターネットに接続できるようになります。
ノートパソコンやタブレットなどを、wi-fiに繋げれば外にいてもインターネットを利用できます。もちろんスマホでwifiを利用することもできるので、wifiを持っているときは接続を変えることでスマホの通信制限の緩和もできます。
Wi-Fiのメリット
- 外出時にどこでも使える
- 通信速度が速い
- 工事不要ですぐ使える
何といっても、外出時にインターネットを利用できるというのが、最大の魅力でしょう。ほとんど自宅にいる時間が無いという方であれば、あまり使わないパソコンのために高い料金を払ってインターネットを繋げるのは勿体ないです。
Wi-Fiというとあまり速くないのでは、という心配をされる方も多いと思います。しかし、最近のWi-Fiはかなり高速になっており、「WiMAX 2+」では最大220mbpsと、フレッツ光と同等の速度がでます。
低速のプランでも、ADSLと同程度の速度でネットが利用できます。
また、Wi-Fiは工事が不要ですぐに使えるというのもメリットのひとつです。固定回線の場合、工事に来てもらうために数週間かかることもあります。引っ越してからインターネットが使えない期間はとても不便です。
引っ越し直後だけのためにWi-Fiを契約するのは勿体ないという方は、スマホのテザリング機能を1ヶ月だけ利用するという方法もあります。
Wi-Fiのデメリット
- 地域によって通信が不安定になる
- 通信制限がある
- 子機の充電が必要
- 子機の携帯の手間・紛失リスク
- 子機の購入費
どこでもインターネットが使える、という売り文句ではありますが、スマホと同様に電波が不安定な地域があり、圏外の場所ではまったくインターネットに繋がらないという場合もあります。
また、これもスマホと同様ですが、毎月の通信量に制限があります。WiMAXでは3日で3GBまでとなっており、上限に達すると通信速度が5mbps程度まで落ち込みます。ADSL並みの速度はでますが、制限があるというのはやはりストレスの元になります。
Wi-Fiを実際に使ってみて不便だなと感じたのは、子機の扱いです。外出時にはもちろん子機を持ち歩かなければなりませんが、カバンを変えた際に子機を忘れてしまった・・・というミスがよくあります。
外出時に子機を落としてしまったり、紛失するリスクもあります。
また、子機の充電も必要で、結構手間に感じます。もちろん電池がなくなってしまえば、インターネットにつなげることはできなくなります。
子機の購入費用もかかります。スマホなどと一緒に契約すると、割引キャンペーンなどで実質無料にしてもらえる場合もあります。ただ、途中で解約してしまうと残金の支払いが発生してしまうので注意が必要です。
ADSL
固定電話の回線を利用してインターネットに接続するサービスです。
光回線のように大がかりな工事は不要で、手軽に利用できるのが特徴です。ダイヤルアップ方式と比較すると高速の通信ができるようになりましたが、光通信の登場によってやや時代遅れとなりつつあります。
現在では少なくはなっているものの、ADSLを利用している家庭はまだ15%ほどあります。
ADSLのメリット
- 利用可能地域が広い
- 工事不要で利用可能
ADSLは電話回線があれば利用できるので、日本国内のほとんどの地域で利用可能です。光ファイバーは独自の回線が必要なため、山岳部や諸島などでは利用できませんが、ADSLであれば問題ありません。
また、固定電話の回線を持っていれば、工事をする手間や費用もかからず、手軽にインターネットを始めることができます。
ADSLのデメリット
- 速度が遅い
- 距離によって速度が変わる
- 電磁波などの影響に弱い
- 固定電話回線が必要
ADSLは、約10mbs程度の速度しかありません。光ファイバー接続の速度は最低でも100mbps、最高速で1Gpsもの速度がでますから、100分の1ほどの速度です。
また、ADSLの基地局からの自宅の距離によって速度が遅くなることがあります。地域によっては1mbps以下しかでない場合もあります。速度が遅くても料金は安くなるわけではありませんから、損ですね。
ADSLは電磁波などの影響を受けやすいという弱点もあります。通信途中でインターネットが切断してしまうこともあり、安定性に欠けます。
最近では、固定電話を持たない家庭も増えています。ADSLでは固定電話の回線を利用しているため、電話回線がなければ新設する必要があります。わざわざ回線を新設するなら、光回線を敷いた方がよさそうです。
ケーブルテレビ(CATV)
ケーブルテレビ(CATV)の回線を利用したインターネット接続です。
主流のインターネット接続ではありませんが、多様なサービスを利用できるため、一定の需要があります。
地域性が強いのが特徴です。
CATVのメリット
- 利用料金が安い
- 距離による速度への影響が少ない
テレビサービスとのセット割引で、インターネット料金が比較的安いのが特徴です。CATVを利用する方であれば、ネットもセットで申し込むと節約になります。
約5000円前後でインターネット接続に加えて、有料テレビも見れるのでお得です。
また、ADSLではNTTの基地局からの距離によってネットの速度が遅くなる場合がありますが、CATVではその心配がありません。光回線がなく、ADSLの電波が悪い地域では、CATVの方が速くなることもあります。
CATVのデメリット
- 速度がやや遅い
- 通信がやや不安定
- 特定地域のみ利用可能
CATVのインターネットは、通信速度はやや遅く、安定性も悪いという評価が多いです。
ケーブル内のノイズの影響を強く受け、また利用者が集中する地域では、かなり速度が落ちてしまう場合もあります。ただし、メリットの項目でも記載しましたが、電波の悪い地域ではADSLよりも速くなるケースもあります。
またCATVは地域性が強いため、引越によって利用できない場合があります。